「「重要資料2011.01.11。。。。自由貿易は、民主主義を滅ぼす:E・トッド著!........

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「「重要資料NO1。。。。「循環経済」について!!!!!.....」について」について
企業の利益は伸びたが雇用と賃金は伸びなかった。各国の政策は
中国やインドのような新興国の景気を刺激しただけだった。E.・トッド

2011年1月10日

自由貿易は、民主主義を滅ぼす:E・トッド著


◆E・トッド「空回りする民主主義」 1月8日 日々平安録

今日の朝日朝刊にE・トッドへのインターヴュー記事がでていた。それについて少し考えてみる。

 まず、トッドの見解。

 1)日本でおきていることは世界の主たる民主主義国でおきていることと同じ。フランスではサルコジ大統領は大したことができず、オバマ大統領も無力である。各国の民主主義が機能不全におちいっているのには共通の原因がある。それは自由貿易こそが問題の解決策であるとするイデオロギーである。この支配的思想が変わらないから、日本での政権交代でもなにもかわらず、フランスでも英米でも政権はなにもできない。

 2)途上国に安価な労働力があると賃金の高い先進諸国の人々は無用の存在であるとされてしまう。世界的に需要が不足していて景気刺激策が必要であるということについては世界の指導者たちの見解は一致している。だが刺激策の結果、企業の利益は伸びたが雇用と賃金は伸びなかった。各国の政策は中国やインドのような新興国の景気を刺激しただけだった。われわれが買っているものにはみな madein China とかいてある。

 3)自由貿易の問題の根底にあるのは、ハイパー個人主義あるいは自己愛の台頭とでも呼ぶべき深い精神面での変化である。共同体で何かについて一緒に行動するということがなくなった。社会や共同体が否定されるようになってきている。個人の確立は近代的な民主主義の基礎であり、それは個人主義的な色彩の強い国である英米やフランスで発明された。ドイツや日本はもっと権威主義的な国でリベラルな民主主義にはなじみにくい。そのためにかえって不平等の広がりがゆっくりだった。ヨーロッパ内でもドイツよりもフランスのほうが病んでいる。ドイツではまだ労組が機能している。フランスほどのエリートと大衆の断絶もない。

 4)民主主義の普及は初等教育の普及による識字率の向上が関係する。だれでも読み書きができるようになると文化的な一体感が醸成される。しかし、高等教育が普及すると文化的な不平等が出現してきた。教育格差が民主主義を弱体化させた。

 5)日本はまだ超個人主義的にはなっていない。それはアメリカが生んだ思想で、英仏には広がっているが。日本は外来思想に苦しんでいる。

 6)自由貿易第一という思想は、エリート達がもっと勉強して考えを変えれば変わる可能性がある。その兆しはわずかながらある。民主主義は人々のための統治であり、エリート不要論はポピュリズムである。

 7)一方、超個人主義や共同体の弱体化は、信仰の危機のようなもので、その流れを変えるのはきわめて難しい。

 ヨーロッパではキリスト教という普遍性の高い宗教が基盤になって、そこから政治思想が生まれた。しかし、今では国という共同体への一体感さえ失われようとしている。宗教さえ力を失ってきている今、これからの数十年のうちにみんなが信じられる何かが復活するということはありえないだろう。

 8)しかし、共同体としての信仰の喪失は人々を戦争に大動員できなくなっているというプラスの面もあり、大戦争がおきないのであれば、何かを形成するための時間的余裕はあるかもしれない。

 9)政治の規模と経済の規模が一致することがのぞましい。アジアは家族構造という面からみればかなりの共通性がある。それを基盤にEUとは異なるなんらかの連携は不可能ではないかもしれない。
(後略)


◆日本・中国・米国 ― E・トッドの見解、私の見解 2010年12月31日 堀茂樹

 2010年12月29日の読売朝刊文化面にエマニュエル・トッドのインタビューが載っている。見出しは「『傲慢な』中国、力を過大評価」。署名は山田恵美記者。私は取材時にトッドの友人として通訳を務めたので、彼のその折の発言とこのたびの記事の対応関係についてあれこれ言う立場にない。そして実際、記事に不満はない。

 中国について、トッドは記事にあるとおり、かなり危険な傾向を示しているとの見解を持っている。先日彼から届いた私信メールにも、個人的な親日的心情からも、中国の動向を懸念している旨が記されていた。ただし、彼の場合、「マジで」中国を警戒するといっても、それは中国をその本質において敵視するということでは全くない。中国の覇権志向に譲歩せず、中国人のためにもあの国を内需中心経済へと促せと言っているだけだ。だからトッドは、イデオロギー的に「反中国」なのではない。

 同じように、トッドはいわゆる「反米」主義者でもまたない。2002年のベストセラー『帝国以後』で、今やアメリカは世界にとって頼れるリーダーどころか、問題児になったと断じたけれども、彼は事実認識のレベルでそう述べたにすぎない。トッドが米国について言ったのは、思い切って乱暴に要約してしまえば、イラクのような弱小国に攻め込む茶番的デモンストレーションで軍事的有用性を見せつけ、それによって欧州や日本の産業力に「タカる」という貿易赤字立国から早く脱却して「普通の」健全な大国に戻りたまえ、ということに尽きる。

 というわけで、エマニュエル・トッドに「反米」のレッテルを貼るのは、ゲーツ国防長官の前へ出たとたんに直立不動で最敬礼しかねないような米国崇拝者のヒステリーか、もしくは逆に、いつも事なかれ的に米国に追随しながら、一方で漠然とした屈辱感を晴らしたくて欧州知識人の辛辣な米国批判を追いかけるという、ある種類の日本人に特有のガス抜きでしかない。戦後日本を占領したのが米国であってソ連でなかったことは、日本にとって異論の余地なき「不幸中の幸い」であろう。今日、日本のいったい誰が、米国に従属するより中国に従属したいなどと思うだろう? 米国にノーと言えないほうが、中国にノーと言えないよりはマシである。この前提は外せない。 

 問題はその先である。日本は米国にイエスと言い続けていれば、中国にノーと言えるのか? そんな単純な話ではないのが国際政治だろう。独立の気概もなく無定見にA国に追随するB国は、A国から実は軽んじられ、C国から見くびられる。これは火を見るよりも明らかだ。そして、互いに一目置き合うのはA国とC国ということになる。そこでトッドは、他国に口出しするのは僭越だからと遠慮しつつも言うのだ。今後日本はアメリカの軍事的後ろ盾を当てにし続けるべく、米国にとって都合のよい保護領のようにふるまっていくか、あるいは独立の道を選んで、核抑止力をも含む自主防衛力の整備に踏み切るか、究極的には二者択一なのではないか、と。

 いうまでもなく後者は、かつてドゴール大統領に率いられたフランスが選らんだ道である。さらに、近年核兵器を保有すると同時に知識立国し、今秋自国の議会を訪れたオバマ大統領をして、国連安全保障理事会の常任理事国に強く推す旨を明言させた ― 米国大統領はこれまで日本の常任理事国入りを本当に明確にプッシュしたことは一回もない ― インドが選んだ道であるともいえよう。(後略)



(私のコメント)

日本が戦後において高度経済成長したのは、パックスアメリカーナ体制におけるグローバリズムと自由貿易のおかげであることは確かでしょう。ドルという基軸通貨のおかげで通貨決済もスムーズに行えるようになったし、関税の障壁も小さくすることが出来た。そのおかげで企業もグローバル展開ができるようになって、日本企業も多くがグローバル企業になることが出来た。

グローバル企業は世界展開することで、日本企業もアジアや中国に工場を移しアメリカやEUに輸出している。このことは企業にとっては自由貿易の恩恵にあずかれるのですが、日本国内の労働者はアジア各国の低賃金と競争させられることになる。中国からは非常に安い工業製品が入ってきて、競合する国内メーカーは競争に負けて市場から退場して行った。勝ち組負け組みという言葉が出てくるようになったのもグローバリズムのおかげだろう。

大企業は世界展開することで自由貿易体制の波に乗ることが出来ましたが、中小企業は波に乗ることが出来ずにアジアの安い工業製品と競争させられている。アメリカやEUの国内においてもグローバリズムの競争にさらされて、労働者の失業が増えてきて社会問題化している。このような事がE・トッドの言うような「自由貿易が民主主義を滅ぼす」事になるのだろうか?

日本はバブル崩壊以降、何度も景気対策を行いましたが、十分な経済効果を上げることができずに長期経済低迷している。確かに企業の業績は伸び続けていますが、労働者の賃金は毎年減り続けている。企業は史上最高益を出しても重役への役員報酬と内部留保に回ってしまう。労働者の賃金の低下は確実に消費の低下につながる。消費が低下すれば確実に税収も低下する。

労働者の賃金が低下すれば、労働者の子供たちの教育にも格差が生じるようになり、公務員やグローバル企業の社員は勝ち組であり、非正規労働者やその子供は十分な教育が受けられず負け組みになる。負け組みは市場原理主義の下における自由競争に敗れた敗者であり、社会は政治家や高級官僚や企業経営者の支配層と非正規労働者の被支配層に分裂していく。これが果たして民主主義といえるのだろうか?

日本に政権交代が起きたのも、このような自由競争の歪が生じたためであり、グローバル市場経済は新たなる階級を生み、民主主義は崩壊してファシズムに走るのだろうか? 日本でも日の丸を抱えたデモ隊が抗議デモを起こすようになり、支配層のマスコミはこのようなデモ隊を無視することで押さえ込んでいる。ヨーロッパにおいても共同体への一体感が失われてきている。

いまや中国はグローバル経済の最大の受益者となり、グローバル企業は安い労働賃金を見込んで工場を移転させて来て、今や2兆ドル以上もの世界一の外貨を貯め込むようになり、日本を追い越してGDP世界第二位の経済大国になった。このように中国は自由貿易の最大の受益者でありながら為替に関してはドルに安く固定して輸出競争力を維持している。これは近隣窮乏策であり中国の周辺諸国は安い人民元に引きずられて通貨を安くしている。

このような中で日本の円は世界でも独歩高を続けて、海外から安い輸入品が入ってくるようになり、物価が下がり続けて売り上げが低迷するようになり給与も安くなってデフレスパイラルに陥ってしまった。円高は海外のものが安く買えるのだからプラスの面がありますが、消費は海外旅行などに使われて国内に還流してこない。国内のホテルや旅館の廃業が相次いだ。

このように製造業などは自由貿易体制になりグローバル化が進みましたが、国内農業だけは関税に守られた保護貿易を続けてきた。米などには700%以上もの関税に守られて、さらには減反政策で田畑を持っているだけで休耕する補助金がもらえた。このように毎年数千億円もの補助金をばら撒いた資金は誰が負担しているのだろうか? 政府は財政の穴埋めを消費税に穴埋めさせようとしていますが、農民たちだけが政府の保護政策で守られている。

昨日も書いたように、製造業は自由貿易の荒波にさらされてグローバル化が進んできましたが、農業なども補助金のバラまきを止めて自由貿易の荒波にさらすべきだ。その為にはTPPの加盟でアメリカ、カナダ、オーストラリアの農業と競争になりますが、製造業のように技術力で農産物も差別化できるはずだ。TPPの中身はまだ何も決まってはいませんが反対運動だけが先行している。TPPは実質的には日米のFTAの代わりのようなものですが、農業自由化が一番の問題だ。

現在の日本では地方公務員や農協職員をしながらの兼業農家が一番恵まれた人たちであり、兼業農家の所得は792万円で専業農家の所得644万円を上回っている。片手間で農業しているほうが所得が高いのは国からの保護政策で小規模農業でも保護が受けられるからだ。それに対して都会の町工場は自由貿易にさらされて廃業が相次いでいる。兼業農家並みに補助金をばら撒いてくれれば公平なのですが、政治家は農業に優しく製造業に厳しい。


◆専業農家の年間所得は644万円なのに、兼業農家の所得は792万円で、サラリーマンの所得を大きく上回っている(02年) 貧農は作られた神話だ。 2009 年 5 月 10 日 株式日記

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