「資料。。。平成26年3月29日」について
「資料。。。平成26年3月29日」について
「緊急提言。。。5.30...」について
1ドル=110円台の03年から07年にかけて輸出量は大きく増え続けた。
もう一段の円安が、輸出や設備投資の構造的停滞を打ち破れる可能性がある。
2014年3月29日 土曜日
◆もう一段の円安がアベノミクスを救う 日銀の大胆な追加緩和しかない 3月21日 田村秀男
消費税率8%への引き上げが近づいたが、増税を推進してきた政府、それに賛同してきた日銀、財界、主流派メディアに錯乱の気配が漂っている。
まず、政府。内閣府が17日に発表した3月の月例経済報告では景気の回復基調継続が「期待される」と弱々しく言い、海外景気の下振れという「リスク」と、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が「見込まれる」と、ひとごとのように解説している。日銀は17、18日の金融政策決定会合で、「輸出と設備投資の増加が消費税率引き上げ後の個人消費の反動減を補っていけるかどうかが鍵」と複数の政策委員が発言したが、答えは後述するように、火を見るよりも明らかだ。
経済同友会の長谷川閑史代表幹事は18日、ウクライナ情勢や4月の消費増税に市場関係者が敏感になっているとし、「アベノミクスは正念場を迎える」といかにも軽い。増税に反対していたなら、重みがあっただろうに。
財務省御用メディアの日経新聞は増税後の景気は大丈夫という論調を通してきたが、さすがに形勢不利と思ったのか、最近は「増税に懸念」という民間の声も少しは紹介し始めた。
御用経済学者たちに至っては、あれほど「早く増税しないと日本国債が暴落する」と騒いだくせに、増税後についてすっかり沈黙している。
エリート集団の貧困な経済観が世を支配するから、日本経済が混迷するのは当たり前だが、アベノミクスがダメになれば、日本国民全員が奈落の底に突き落とされてしまう。
どうすればよいか。消費増税がアベノミクスを殺す、と一貫して警告してきた拙論としてのとりあえずの結論は、もう一段の円安誘導、である。
グラフは日本の輸出と円・ドル相場の推移である。輸出は数量規模を反映する実質指数で、アベノミクスによる円安効果にもかかわらず、実質輸出は伸びていない。ゴールドマン・サックス日本法人の分析では、2011年から日本の輸出数量は減少に転じ、エネルギー資源輸入量の増加と重なる。貿易赤字は構造的であり、解消は困難という。
日本企業の多くはこれまでの超円高・デフレの間に海外の生産拠点を大きく増強した。すでに国内外の需要を賄うのに十分な供給能力が自動車など各社にあるので、国内で新規設備投資する必要性に乏しい。これが、輸出増も民間設備投資増も期待できないという構造論である。
グラフに目をこらすと、実質輸出は円相場の上下への振れよりも、水準によって決まるようだ。1ドル=110円から120円台の03年から07年にかけて輸出量は大きく増え続けた。この視点からすれば、1ドル=102~103円という程度の現在の水準では、企業が海外生産を減らして、日本からの輸出に切り替える可能性は少ないが、もう一段の円安局面への移行が、輸出や設備投資の構造的停滞を打ち破れる可能性がある。円安誘導には日銀の大胆な追加金融緩和しかない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
(私のコメント)
為替相場は、円高になりすぎてもいけないし円安になりすぎても良くなく、適正な水準に保つことが政府日銀の役割なのですが、金融の緩和の調節で円の水準をコントロールできる仕組みが分かってきた。黒田総裁の異次元の金融緩和で円は1ドル=80円から一気に105円まで円安になった。今までのような直接介入で数兆円介入しても効果は一時的なものだった。
円が高くなるという事は、円の需要がそれだけあるという事であり、これだけ金融緩和しても金利はゼロパーセント台に釘付けだ。日銀は金融緩和を続けるとインフレになると言い続けてきましたが、日本は10年以上もゼロ金利が続いている。それだけ資金需要が無いという事ですが、銀行がリスクに過敏になり貸さなくなり、借りる方も借金はこりごりだという人が増えて借金返済に回り貯蓄ばかりしている。
銀行による貸し剥がしや貸し渋りで酷い目に遭った企業が借金の返済や社内留保を貯めこんでいる。中国ややっているように銀行の不良債権を国が買い取ってしまえば、貸し剥がしや貸し渋りもせずに済んだのでしょうが、政府日銀はダメな銀行は潰す事にした。その副作用が金融緩和しても貸し出しが増えない原因となっていますが、アメリカも紙切れ同然になった不動産担保証券をFRBが買い取って銀行を救済している。
日本方式が良いのかアメリカや中国方式が良いのか、長期的には副作用も出て来るから注意が必要ですが、金融緩和で円安株高にするのが当面はすべき金融政策だ。しかし日本が円安になれば中国や韓国やアメリカなどが経済競争力でかなわなくなるから90年代から円高圧力が加えられてきた。
現在における円の適正な為替水準は1ドル=110円から120円程度だと思われます。この水準なら工場を海外に移転させる必要が無かった。2007年頃には120円水準だったから輸出も増えて国内もミニバブルになった。しかし白川日銀総裁になって金融を引き締めて1ドル=75円にまで上げてしまったから、日本の家電産業は壊滅的な打撃を受けた。
日本の工場を戻すには当分円安が続くという見通しが無いとできませんが、日本の金融政策は円相場を見ればわかるように変動幅が大きすぎる。中国を見ればドルとの固定相場に近いわけですがそれだけ金融調節で為替相場は安定させることができる。問題は円高を円安にするのは簡単だが、円安を円高にするのはなかなか難しい。出回った円を回収して国債の売りオペをしなければなりませんが国債の価格が下がり金利が上がってしまう。
しかし日本の円が下がりすぎる事は当面は想像がつきませんが、円安になれば世界中に日本製品が溢れる事になる。しかし工場が海外に移転して円安でも輸出が伸びない状況は好ましくない。日本はあまりにも長い間円高基調だったから工場の海外移転を進め過ぎたから20ヶ月も貿易赤字が続いている。
円安は石油や天然ガスなどが高くなる事だから輸入金額が増える事であり物価高につながる。食品などの価格も上がる。建設資材も上がるからマンションの価格も上がる。円高の時はすべての物価が下がりましたが、円安が続けばすべての物価が上がる。今まで現金を持ち続けてきた資産家も現金から物への買いだめに走って、小売業なども名目上の売り上げは増えて行く。
物価の値上がりは、株やマンションなどの投資にマネーが動くようになるから適度なインフレは経済効果がある。これはインフレターゲット政策ですが、日銀は長い間インフレはコントロールできないと言い続けてきた。しかし金融の緩和は円安になり物価高になりインフレはコントロールできることが分かってきた。
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ブラック企業における非正規社員の集団離職で、大量の一時閉店が相次いでいる。
ユニクロのパート社員の16000名の正社員化は、大量離職を防ぐための防衛策
2014年3月28日 金曜日
◆現場の反撃 3月28日 NEVADAブログ
今、日本は仕事をしたくても出来ない状況に追い込まれてきている業界が出てきています。
人・物が「ない」のです。
政府は公共事業を前倒し発注して、GDPを引き上げようとしていますが、現場はそうはいきません。
出来ないのです。
『船さえあればこんな目に遭わなかったのに』(東京製鉄常務)
今日の日経に掲載されていました内容ですが、昨年末以来、鋼材原料の鉄スクラップを関西方面や韓国に運ぶ船が足りなくなり、東京湾岸の在庫が膨れ上がり、このため関東のスクラップ価格が急落してしまったのです。
運搬に使う<内航船>の数はこの10年間で20%も減少しており、これに震災特需や政府公共投資が入ってきたために、運搬する船が足りなくなったのです。
では陸上運送に切り替えれば良いと思いきや、こちらは更に減少し、トラックの数は1990年代から30%も減少しており、すでに報道では大手ゼネコンの都内の現場ではトラック不足で工事が一ヶ月程遅れる案件も出ているとなっており、陸上も海上も、お手上げになっているのです。
今までの現場をないがしろにしてきた咎が出てきているものであり、しかも現場では熟練作業員がおらず、素人が作業しているために、混乱さえ出てきていると言われており、ここから更に仕事が増えましても、現場はさばききれず、お手上げになります。
また、今、日本人の若者に間に、不安定な雇用(非正規)で安い給料にもかかわらず大量の仕事を任せられて「やってられない」として集団で退社する事態になり閉店に追い込まれる牛丼チェーンも出てきており、更にネットで集団退社を促すような流れになってきており、最悪の場合、現場からスタッフが消え、閉店に追い込まれる店舗が急増するという事態もあり得ます。
一種のストライキになりますが、これがネットを通じてあらゆる現場に波及すれば、スーパーもコンビニも建設現場も、人がいなくなり、店舗・作業が回らない事態になることさえもあります。
今まで非正規の若者を安い給料でこき使い収益をあげてきた日本企業が多いですが、この安い給料に明確に敵対する若者が出てきたことは、日本企業の今までの収益構造が激変することもあり得ます。
なぜなら、多くの日本企業の利益率は一桁であり、ここで一気に人件費が上昇すれば赤字に転落する企業が急増するからです。
既に採算が悪化し閉店するチェーン店も急増してきていますが、これが加速すれば空き店舗も増えるでしょうし、小売店の売上も減少し、悪循環に陥ります。
朝、突然、多くの非正規社員から「今日から辞めます」というメールがスーパー、コンビニ、レストランチェーン店の現場に届いたら、どうなるでしょうか?
店をオープンすら出来ない事態になりますし、また、『お腹が痛いので休みます』と集団で連絡があれば、
二人店舗が多いチェーン店はヘルパー派遣が間に合わず大混乱に陥ります。
今まで安い給料で虐げられてきた非正規労働者が日本企業を恐怖の事態に追い込むかも知れません。
◆ワタミ、居酒屋の1割閉店…離職率の高さ改善へ 3月28日 読売新聞
居酒屋大手のワタミは27日、店舗での労働環境改善のため、2014年度中に運営する約640店舗の約1割にあたる60店舗を閉鎖する、と発表した。
閉鎖する店舗で働く約100人の正社員と約670人のアルバイトを、近隣の他店舗に異動させ、1店舗あたりの人員を増やす。
離職率の高さなどから設置した外部の有識者委員会が今年1月、改善を求めていた。
◆ユニクロ、"パート正社員化"へ2度目の挑戦 3月24日 東洋経済
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、国内のユニクロ店舗(2013年11月末856店舗)で勤務をする全パート・アルバイト約3万人の半数以上に当たる1万6000人を正社員化する方針を打ち出した。
?国内ユニクロ店舗で、販売員の主力となっている主婦などの1万6000人を対象に、転勤を伴わず長期にわたって働ける「R社員(地域限定正社員)」にするというもの。女性のワークライフバランスも考慮し、長期的な人材の確保や生産性を向上させるための人事制度改革だという。
(私のコメント)
20年続いた日本のデフレ不況は、正社員を首にして非正規社員に切り替える事によって企業は内部留保を貯めこんで、幹部社員の賞与や株式配当などに振り向ける傾向が高くなってきた。若い労働者の就職難が20年も続いてきたのだから、非正規社員や派遣で安く使っても代わりはいくらでもいるから多くの企業はそうしてきた。
円高で国内製造業は海外に移転して、事務職もOA化で少ない人数で済むようになった。これで若年労働者の職場が減ってきて、派遣労働や非正規社員でしか働けない状況が定着してきました。このような状況で業績を伸ばしてきたのが一連のブラック企業ですが、アベノミクスによる景気の回復で労働環境が激変しているようです。
特に建設業は、仕事があっても建設労働者がおらず仕事が請け負えない建設業者が続出している。私の住んでいる地域を見ても、今まで駐車場だった所がビルを建て始めている所が4か所もありますが、これはバブルの最盛期でもなかったような光景です。これだけビルラッシュが続けば建設業界は人手不足にならない方がおかしい。
人手不足は建設業界のみならず、大手外食チェーンなどに広がっているように、ワタミやすき家などが人手不足で大量の一時閉店が起きている。ユニクロなどもパート社員の正社員化で人手を確保しようとしていますが、明らかに労働環境が変わり始めている。労働者を確保できなければ経営規模を縮小するか賃金を上げて正社員として採用しないと人手は集まってこない。
私の経営するビルでも、袖看板の大規模改修工事が必要になったのですが、工事を依頼しても一か月以上も先になるという状況であり、景気が回復してきたことで看板工事も増えているのだろう。20年に及ぶデフレ不況は賃金の低下をもたらし、正社員から非正規社員への切り替えが進んだことによる影響だ。正社員に比べると非正規社員は賃金が半分以下に出来るし首にも何時でも出来るようになる。
本来ならば、団塊の世代が大量に退職する時期でもあるのですが、その穴を企業は非正規社員で間に合わせている。しかし非正規社員は技術の蓄積もなく会社への忠誠心も無いから状況が変われば、一斉に大量に辞めて行く。その結果すき家やワタミのように大量の店舗を閉店や一時閉店せざるを得なくなっている。建設会社でも熟練技術者が居なくて工事を請け負えない状況になっている。
社員を安易にリストラしてきたつけが回ってきたという事ですが、海外に移転した工場なども円安が続けば、海外で生産するよりも国内で生産したほうが採算に合うようになるだろう。自動車でもタイから逆輸入した国内メーカーがありましたが、国内で生産したほうが品質も良くコストも安くなる時が来るだろう。
90年代から続いた円高は人為的なものであり、アメリカはドルを刷りまくって世界にばら撒いてきた。ドルを安くする為よりも景気対策の為なのでしょうが、アメリカの景気対策とは株高の事であり、株価が下がりそうになるたびにFRBのグリーンスパンは金融を緩めてきた。世界にばら撒かれたドルは値下がりしない円に買いが集中した。
円高ドル安は当時のアメリカの通貨政策であり、日本からの輸入を抑圧してアメリカの競争力を高める事でもあったのですが、円高でも日本からの輸入は少なくならなかった。日本も対米黒字を減らすために韓国や中国へ工場を移して輸出するようになり、それが20年も続いてGDPは停滞してデフレ不況を招いてしまった。
日本の異次元の金融緩和に踏み切る事で円は1ドル=75円から105円まで30円も安くなりましたが、日本からの輸出は増えずに20ヶ月も貿易赤字が続いている。家電製品すら完成品を中国から輸入して流れが変わらない。中国に工場を建設したら投資額を回収するまで十数年もかかるからすぐには工場を戻せない。
だから多くの若い労働力を吸収してきた製造業は空洞化して、若い労働力は余り、ブラック企業は若い労働者を非正規社員や派遣やパートとして使ってきた。しかし円安は徐々に国内産業を活性化させてきて建設業やサービス業などは若い労働力不足を招いている。円安は海外との労働力単価を引き下げて国際競争力がつくからであり、だからアメリカも中国もドル安や人民元安政策をしてきた。
円が安くなる事は輸入品が高くなる事であり、国産品の方が価格競争力が付き利益も出るようになる。しかし多くの輸出産業は工場を海外に移転させてしまったから、なかなか流れは変えられない。しかしパソコンなどは国内に工場を移転させて作られるようになり、携帯電話やスマートフォンなども国産品が優位になって行くだろう。今までの円高が異常だったのだ。
「緊急提言。。。5.30...」について
1ドル=110円台の03年から07年にかけて輸出量は大きく増え続けた。
もう一段の円安が、輸出や設備投資の構造的停滞を打ち破れる可能性がある。
2014年3月29日 土曜日
◆もう一段の円安がアベノミクスを救う 日銀の大胆な追加緩和しかない 3月21日 田村秀男
消費税率8%への引き上げが近づいたが、増税を推進してきた政府、それに賛同してきた日銀、財界、主流派メディアに錯乱の気配が漂っている。
まず、政府。内閣府が17日に発表した3月の月例経済報告では景気の回復基調継続が「期待される」と弱々しく言い、海外景気の下振れという「リスク」と、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が「見込まれる」と、ひとごとのように解説している。日銀は17、18日の金融政策決定会合で、「輸出と設備投資の増加が消費税率引き上げ後の個人消費の反動減を補っていけるかどうかが鍵」と複数の政策委員が発言したが、答えは後述するように、火を見るよりも明らかだ。
経済同友会の長谷川閑史代表幹事は18日、ウクライナ情勢や4月の消費増税に市場関係者が敏感になっているとし、「アベノミクスは正念場を迎える」といかにも軽い。増税に反対していたなら、重みがあっただろうに。
財務省御用メディアの日経新聞は増税後の景気は大丈夫という論調を通してきたが、さすがに形勢不利と思ったのか、最近は「増税に懸念」という民間の声も少しは紹介し始めた。
御用経済学者たちに至っては、あれほど「早く増税しないと日本国債が暴落する」と騒いだくせに、増税後についてすっかり沈黙している。
エリート集団の貧困な経済観が世を支配するから、日本経済が混迷するのは当たり前だが、アベノミクスがダメになれば、日本国民全員が奈落の底に突き落とされてしまう。
どうすればよいか。消費増税がアベノミクスを殺す、と一貫して警告してきた拙論としてのとりあえずの結論は、もう一段の円安誘導、である。
グラフは日本の輸出と円・ドル相場の推移である。輸出は数量規模を反映する実質指数で、アベノミクスによる円安効果にもかかわらず、実質輸出は伸びていない。ゴールドマン・サックス日本法人の分析では、2011年から日本の輸出数量は減少に転じ、エネルギー資源輸入量の増加と重なる。貿易赤字は構造的であり、解消は困難という。
日本企業の多くはこれまでの超円高・デフレの間に海外の生産拠点を大きく増強した。すでに国内外の需要を賄うのに十分な供給能力が自動車など各社にあるので、国内で新規設備投資する必要性に乏しい。これが、輸出増も民間設備投資増も期待できないという構造論である。
グラフに目をこらすと、実質輸出は円相場の上下への振れよりも、水準によって決まるようだ。1ドル=110円から120円台の03年から07年にかけて輸出量は大きく増え続けた。この視点からすれば、1ドル=102~103円という程度の現在の水準では、企業が海外生産を減らして、日本からの輸出に切り替える可能性は少ないが、もう一段の円安局面への移行が、輸出や設備投資の構造的停滞を打ち破れる可能性がある。円安誘導には日銀の大胆な追加金融緩和しかない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
(私のコメント)
為替相場は、円高になりすぎてもいけないし円安になりすぎても良くなく、適正な水準に保つことが政府日銀の役割なのですが、金融の緩和の調節で円の水準をコントロールできる仕組みが分かってきた。黒田総裁の異次元の金融緩和で円は1ドル=80円から一気に105円まで円安になった。今までのような直接介入で数兆円介入しても効果は一時的なものだった。
円が高くなるという事は、円の需要がそれだけあるという事であり、これだけ金融緩和しても金利はゼロパーセント台に釘付けだ。日銀は金融緩和を続けるとインフレになると言い続けてきましたが、日本は10年以上もゼロ金利が続いている。それだけ資金需要が無いという事ですが、銀行がリスクに過敏になり貸さなくなり、借りる方も借金はこりごりだという人が増えて借金返済に回り貯蓄ばかりしている。
銀行による貸し剥がしや貸し渋りで酷い目に遭った企業が借金の返済や社内留保を貯めこんでいる。中国ややっているように銀行の不良債権を国が買い取ってしまえば、貸し剥がしや貸し渋りもせずに済んだのでしょうが、政府日銀はダメな銀行は潰す事にした。その副作用が金融緩和しても貸し出しが増えない原因となっていますが、アメリカも紙切れ同然になった不動産担保証券をFRBが買い取って銀行を救済している。
日本方式が良いのかアメリカや中国方式が良いのか、長期的には副作用も出て来るから注意が必要ですが、金融緩和で円安株高にするのが当面はすべき金融政策だ。しかし日本が円安になれば中国や韓国やアメリカなどが経済競争力でかなわなくなるから90年代から円高圧力が加えられてきた。
現在における円の適正な為替水準は1ドル=110円から120円程度だと思われます。この水準なら工場を海外に移転させる必要が無かった。2007年頃には120円水準だったから輸出も増えて国内もミニバブルになった。しかし白川日銀総裁になって金融を引き締めて1ドル=75円にまで上げてしまったから、日本の家電産業は壊滅的な打撃を受けた。
日本の工場を戻すには当分円安が続くという見通しが無いとできませんが、日本の金融政策は円相場を見ればわかるように変動幅が大きすぎる。中国を見ればドルとの固定相場に近いわけですがそれだけ金融調節で為替相場は安定させることができる。問題は円高を円安にするのは簡単だが、円安を円高にするのはなかなか難しい。出回った円を回収して国債の売りオペをしなければなりませんが国債の価格が下がり金利が上がってしまう。
しかし日本の円が下がりすぎる事は当面は想像がつきませんが、円安になれば世界中に日本製品が溢れる事になる。しかし工場が海外に移転して円安でも輸出が伸びない状況は好ましくない。日本はあまりにも長い間円高基調だったから工場の海外移転を進め過ぎたから20ヶ月も貿易赤字が続いている。
円安は石油や天然ガスなどが高くなる事だから輸入金額が増える事であり物価高につながる。食品などの価格も上がる。建設資材も上がるからマンションの価格も上がる。円高の時はすべての物価が下がりましたが、円安が続けばすべての物価が上がる。今まで現金を持ち続けてきた資産家も現金から物への買いだめに走って、小売業なども名目上の売り上げは増えて行く。
物価の値上がりは、株やマンションなどの投資にマネーが動くようになるから適度なインフレは経済効果がある。これはインフレターゲット政策ですが、日銀は長い間インフレはコントロールできないと言い続けてきた。しかし金融の緩和は円安になり物価高になりインフレはコントロールできることが分かってきた。
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ブラック企業における非正規社員の集団離職で、大量の一時閉店が相次いでいる。
ユニクロのパート社員の16000名の正社員化は、大量離職を防ぐための防衛策
2014年3月28日 金曜日
◆現場の反撃 3月28日 NEVADAブログ
今、日本は仕事をしたくても出来ない状況に追い込まれてきている業界が出てきています。
人・物が「ない」のです。
政府は公共事業を前倒し発注して、GDPを引き上げようとしていますが、現場はそうはいきません。
出来ないのです。
『船さえあればこんな目に遭わなかったのに』(東京製鉄常務)
今日の日経に掲載されていました内容ですが、昨年末以来、鋼材原料の鉄スクラップを関西方面や韓国に運ぶ船が足りなくなり、東京湾岸の在庫が膨れ上がり、このため関東のスクラップ価格が急落してしまったのです。
運搬に使う<内航船>の数はこの10年間で20%も減少しており、これに震災特需や政府公共投資が入ってきたために、運搬する船が足りなくなったのです。
では陸上運送に切り替えれば良いと思いきや、こちらは更に減少し、トラックの数は1990年代から30%も減少しており、すでに報道では大手ゼネコンの都内の現場ではトラック不足で工事が一ヶ月程遅れる案件も出ているとなっており、陸上も海上も、お手上げになっているのです。
今までの現場をないがしろにしてきた咎が出てきているものであり、しかも現場では熟練作業員がおらず、素人が作業しているために、混乱さえ出てきていると言われており、ここから更に仕事が増えましても、現場はさばききれず、お手上げになります。
また、今、日本人の若者に間に、不安定な雇用(非正規)で安い給料にもかかわらず大量の仕事を任せられて「やってられない」として集団で退社する事態になり閉店に追い込まれる牛丼チェーンも出てきており、更にネットで集団退社を促すような流れになってきており、最悪の場合、現場からスタッフが消え、閉店に追い込まれる店舗が急増するという事態もあり得ます。
一種のストライキになりますが、これがネットを通じてあらゆる現場に波及すれば、スーパーもコンビニも建設現場も、人がいなくなり、店舗・作業が回らない事態になることさえもあります。
今まで非正規の若者を安い給料でこき使い収益をあげてきた日本企業が多いですが、この安い給料に明確に敵対する若者が出てきたことは、日本企業の今までの収益構造が激変することもあり得ます。
なぜなら、多くの日本企業の利益率は一桁であり、ここで一気に人件費が上昇すれば赤字に転落する企業が急増するからです。
既に採算が悪化し閉店するチェーン店も急増してきていますが、これが加速すれば空き店舗も増えるでしょうし、小売店の売上も減少し、悪循環に陥ります。
朝、突然、多くの非正規社員から「今日から辞めます」というメールがスーパー、コンビニ、レストランチェーン店の現場に届いたら、どうなるでしょうか?
店をオープンすら出来ない事態になりますし、また、『お腹が痛いので休みます』と集団で連絡があれば、
二人店舗が多いチェーン店はヘルパー派遣が間に合わず大混乱に陥ります。
今まで安い給料で虐げられてきた非正規労働者が日本企業を恐怖の事態に追い込むかも知れません。
◆ワタミ、居酒屋の1割閉店…離職率の高さ改善へ 3月28日 読売新聞
居酒屋大手のワタミは27日、店舗での労働環境改善のため、2014年度中に運営する約640店舗の約1割にあたる60店舗を閉鎖する、と発表した。
閉鎖する店舗で働く約100人の正社員と約670人のアルバイトを、近隣の他店舗に異動させ、1店舗あたりの人員を増やす。
離職率の高さなどから設置した外部の有識者委員会が今年1月、改善を求めていた。
◆ユニクロ、"パート正社員化"へ2度目の挑戦 3月24日 東洋経済
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、国内のユニクロ店舗(2013年11月末856店舗)で勤務をする全パート・アルバイト約3万人の半数以上に当たる1万6000人を正社員化する方針を打ち出した。
?国内ユニクロ店舗で、販売員の主力となっている主婦などの1万6000人を対象に、転勤を伴わず長期にわたって働ける「R社員(地域限定正社員)」にするというもの。女性のワークライフバランスも考慮し、長期的な人材の確保や生産性を向上させるための人事制度改革だという。
(私のコメント)
20年続いた日本のデフレ不況は、正社員を首にして非正規社員に切り替える事によって企業は内部留保を貯めこんで、幹部社員の賞与や株式配当などに振り向ける傾向が高くなってきた。若い労働者の就職難が20年も続いてきたのだから、非正規社員や派遣で安く使っても代わりはいくらでもいるから多くの企業はそうしてきた。
円高で国内製造業は海外に移転して、事務職もOA化で少ない人数で済むようになった。これで若年労働者の職場が減ってきて、派遣労働や非正規社員でしか働けない状況が定着してきました。このような状況で業績を伸ばしてきたのが一連のブラック企業ですが、アベノミクスによる景気の回復で労働環境が激変しているようです。
特に建設業は、仕事があっても建設労働者がおらず仕事が請け負えない建設業者が続出している。私の住んでいる地域を見ても、今まで駐車場だった所がビルを建て始めている所が4か所もありますが、これはバブルの最盛期でもなかったような光景です。これだけビルラッシュが続けば建設業界は人手不足にならない方がおかしい。
人手不足は建設業界のみならず、大手外食チェーンなどに広がっているように、ワタミやすき家などが人手不足で大量の一時閉店が起きている。ユニクロなどもパート社員の正社員化で人手を確保しようとしていますが、明らかに労働環境が変わり始めている。労働者を確保できなければ経営規模を縮小するか賃金を上げて正社員として採用しないと人手は集まってこない。
私の経営するビルでも、袖看板の大規模改修工事が必要になったのですが、工事を依頼しても一か月以上も先になるという状況であり、景気が回復してきたことで看板工事も増えているのだろう。20年に及ぶデフレ不況は賃金の低下をもたらし、正社員から非正規社員への切り替えが進んだことによる影響だ。正社員に比べると非正規社員は賃金が半分以下に出来るし首にも何時でも出来るようになる。
本来ならば、団塊の世代が大量に退職する時期でもあるのですが、その穴を企業は非正規社員で間に合わせている。しかし非正規社員は技術の蓄積もなく会社への忠誠心も無いから状況が変われば、一斉に大量に辞めて行く。その結果すき家やワタミのように大量の店舗を閉店や一時閉店せざるを得なくなっている。建設会社でも熟練技術者が居なくて工事を請け負えない状況になっている。
社員を安易にリストラしてきたつけが回ってきたという事ですが、海外に移転した工場なども円安が続けば、海外で生産するよりも国内で生産したほうが採算に合うようになるだろう。自動車でもタイから逆輸入した国内メーカーがありましたが、国内で生産したほうが品質も良くコストも安くなる時が来るだろう。
90年代から続いた円高は人為的なものであり、アメリカはドルを刷りまくって世界にばら撒いてきた。ドルを安くする為よりも景気対策の為なのでしょうが、アメリカの景気対策とは株高の事であり、株価が下がりそうになるたびにFRBのグリーンスパンは金融を緩めてきた。世界にばら撒かれたドルは値下がりしない円に買いが集中した。
円高ドル安は当時のアメリカの通貨政策であり、日本からの輸入を抑圧してアメリカの競争力を高める事でもあったのですが、円高でも日本からの輸入は少なくならなかった。日本も対米黒字を減らすために韓国や中国へ工場を移して輸出するようになり、それが20年も続いてGDPは停滞してデフレ不況を招いてしまった。
日本の異次元の金融緩和に踏み切る事で円は1ドル=75円から105円まで30円も安くなりましたが、日本からの輸出は増えずに20ヶ月も貿易赤字が続いている。家電製品すら完成品を中国から輸入して流れが変わらない。中国に工場を建設したら投資額を回収するまで十数年もかかるからすぐには工場を戻せない。
だから多くの若い労働力を吸収してきた製造業は空洞化して、若い労働力は余り、ブラック企業は若い労働者を非正規社員や派遣やパートとして使ってきた。しかし円安は徐々に国内産業を活性化させてきて建設業やサービス業などは若い労働力不足を招いている。円安は海外との労働力単価を引き下げて国際競争力がつくからであり、だからアメリカも中国もドル安や人民元安政策をしてきた。
円が安くなる事は輸入品が高くなる事であり、国産品の方が価格競争力が付き利益も出るようになる。しかし多くの輸出産業は工場を海外に移転させてしまったから、なかなか流れは変えられない。しかしパソコンなどは国内に工場を移転させて作られるようになり、携帯電話やスマートフォンなども国産品が優位になって行くだろう。今までの円高が異常だったのだ。
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