資料。。。。食糧・エネルギー危機・目  次

食糧生産と経済界との関係性および食料生産一人当たりの労働報酬と平均賃金との関係性それと食料生産と失業」について
食糧・エネルギー危機・目  次


前書き 



第Ⅰ章 食料自給率 

 第Ⅰ-1節 農林水産省の計算 

 第Ⅰ-2節 農業とエネルギー 

 第Ⅰ-3節 国内必要量 



第Ⅱ章 食料自給率の問題点 

 第Ⅱ-1節 総ての前提 

 第Ⅱ-2節 エネルギー(世界) 

 第Ⅱ-3節 エネルギー(日本)

 第Ⅱ-4節 人口(世界) 

 第Ⅱ-5節 人口(日本) 

 第Ⅱ-6節 食料(世界) 

 第Ⅱ-7節 対策の期限 

 第Ⅱ-8節 食料(日本) 

 第Ⅱ-9節 社会構造(日本) 



第Ⅲ章 結びとして 



付 録-1.・「農業と工業」 

付 録-2.「式」の問題 



出典リスト 







食糧・エネルギー危機

前 書 き

 2004.2月の国会の党首討論で、野党第一党の民主党党首菅直人と総理大臣小泉純一郎の間で次のようなやり取りがあった。

菅直人、「総理。日本の食料自給率は現在どの程度か御存知ですか?」 小泉純一郎、「何だか中学生の試験みたいだが、自給率に付いては幾つかの計算の仕方があるけれど、カロリー計算による自給率は40%で、穀物自給率は重量ベースで28パーセント ・ ・ ・ 」 小泉総理の答えは農林水産省が試算し公表されたものであり、その答えに対して菅氏は特に異論を唱えるでもなく党首討論は続いて行き、そこで私はスイッチを切った。

出典①の総理府統計局編「日本の統計」によれば、平成12年の供給熱量自給率は40%であり穀物自給率は28%だから、小泉総理の台詞ではないが、これが中学生に対する質問なら、その答えには満点をあげても良い。しかし一国を運営する責任者の答えとしては、殆ど0点に近い。

農林水産省による供給熱量自給率の計算は、

(国産供給熱量÷国内総供給熱量)×100(熱量ベース)で、

穀物自給率は

(国内生産量÷国内消費仕向量)×100(重量ベース)で

計算されているが、次の第一章で記述するがそれは「自給率」を示すものでは無い。現在破綻しつつある年金計画を立案する時に、政府が依存し続けた官僚作成の「人口予測」は常に間違っていた。それと同様の間違い、すなわち官僚作成のデーターの可否を検討することなくオウム返しにする間違いを、政府はここでも再び繰り返している。

そして与党の失政を正すはずの野党第一党党首も、総理大臣の見識の浅薄さを追求する能力を示さないというのであれば、この国の行く末ははなはだ心許ない。実際今(2004.3月)国会で審議されようとしている新しい年金政策についても、間違いを繰り返してきた官僚作成による「人口予測」が、再び何の検討も無く使われているにも関わらず、野党がそれを批判する様子は微塵も無い。繰り返すが、こんなことではこの国の行く末ははなはだ心許ない。

私は本書で日本の食料自給率の実態を示すと共に、そこから拡がる幾つかの話題について述べようと思う。





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第Ⅰ章 食料自給率

 前書きで述べた農林水産省が作成した食料自給率のデーターを表-1に示した。当然だがそこでは平成12年の供給熱量自給率は40%であり穀物自給率は28%だ。これらの値が自給率として正当なものであれば、日本の食料政策を考える時それらをそのまま使うことができるのだが、それらの値は皮相的な数字であるに過ぎず、政策の基にできるものではない。



第Ⅰ-1節 農林水産省の計算

 表-1の食料自給率がどのように計算されているかを確かめてみると、国産供給熱量、国内総供給熱量、穀物の国内生産量、国内消費仕向量等の数値は農林水産省作成による食料需給表に在ることがわかる。それを表-2として示しておく。確定値としては平成11年度までしかネットには無かったのでそれを使うことにする。

 表-2で食料自給率の計算に使われているのは①,②,③行の部分だ。穀物の自給率計算は簡単で,

(国内生産量÷国内消費仕向量)×100(重量ベース)

だから、①と②の数値を使って、

 (9,988 ÷ 37,719) × 100 = 26.5

となり、ほぼ表-1の27と合致する。

 供給熱量自給率の計算のために表-2を加工して表-3を作った。この計算は

(国産供給熱量÷国内総供給熱量)×100

だから、表-3の④と⑤の合計値を使って、

 (114,034 ÷ 265,611) × 100 = 42.9

となり、畜産物に関する飼料の自給率(出典②-2参照)を加味すれば、表-1の40は妥当なのだろう。それならば小泉総理の答えは満点と言うことになるはずだが、そうはいかないのだ。

 そもそも食料自給率とは何を意味するものだろうか。あるいは食料自給率のデーターは何のために必要となるのだろうか。

後者の問いから答えるならば、食料輸入が途絶えた時日本が自力で生産できる食料の量を知り、それによってその場合何人の人口が養えるかを確認するためのものだろう。食料自給率が「食料輸入が途絶えた時」を前提とする数値であるなら、その場合食料以外の輸入についても考慮すべきではないだろうか。食料の輸入が途絶しながら、例えば石油はそれまでと同様に輸入されているということが有り得るのだろうか。私は有り得ないと思う。そもそも食料自給率を考えるということは、危機管理の一環なのだ。その危機管理に他の輸入品の危機が考慮されていないなら、それは官僚の単なる作文に過ぎない。小泉総理も菅直人もそこに気付くべきなのだ。

さてそこで前者の質問に対する答えだが、食料自給率とは食料は無論のことその生産に関わる総ての輸入が途絶えた時の、国内で生産し得る食料を分子とし、国内で必要とされる量を分母としたものであるべきであり、そうでなければ意味の無いものだということになる。すなわち自給率は一般的に、

自給率=(国内で生産し得る量)/(国内で必要とされる量)

で表されるものだろう。農林水産省の自給率の分子は、カロリーベースであれ重量ベースであれ「国内で生産している量」だが、国内で生産していても輸入に由来する生産は自給率計算の分子に入ってはならないのだ。

エネルギーの自給率はこのことが考慮されている。火力発電による電力は日本国内で生産されているが、エネルギー自給率を計算する時その殆どは分子に入らない。火力の元になる重油や石炭の殆どが輸入によるものだからだ。耕作機械はそれを作るためにもそれを動かすためにも多くの石油を必要とするし、化学肥料も農薬もそれらを生産するためのエネルギーあるいは原材料として石油が必要だが、それらの殆どが輸入だ。ビニールハウスのビニールはどのようにして作られるだろうか。だから表-2で例えば穀類の国内生産量として表示している9,988千トンは自給率計算の分子にはならない。エネルギー自給率で考慮されていることが、食料自給率では考慮されていない。これは作為か無作為か。いずれにしろ再び言うが、このことを考慮しない限り、表-1の農林水産省の自給率の計算は無意味な作文に過ぎない。

 自給率を見直す前に、農林水産省の作文でもう一つの奇妙な資料を示しておこう。それは出典③-1の、平成14年3月に農林水産省が取りまとめた「不測時の食料安全保障マニュアル」で、全体が単なる無意味な作文なのだが、その中に特に〔石油の供給が大幅に制約される場合の対策〕と題した部分があり、そこから一部を引用する。



「―――――――――――――― 引用開始・出典③ ―――――――――――――――

〔石油の供給が大幅に制約される場合の対策〕

(2)肥料の供給の減少への対応策

①輸出分の国内への供給

 肥料については、平素は輸出されているものがあることから、石油の供給が大幅に制約される場合には、これらの活用により国内における供給の増加を図る。

                  ・

                  ・

(3)農薬の供給の減少への対応策

  ①農薬の国内への供給及び殺虫剤、殺菌剤の製造への石油の供給の集中

   農薬については、平素は輸出されているものがあることから、石油の供給が大幅に制約される場合には、これらの活用により国内における供給の増加を図る。

    また、農薬は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤及び植物成長調整剤の4種に大別されるが、農薬の製造に使用される石油が制限される場合には、殺虫剤及び殺菌剤に石油の供給を集中させ、除草剤は人力と共に除草器具等を利用した物理的雑草防除等の活用により代替し、植物成長調整剤は使用しないこととする。

    この場合、除草については、人力、除草器具等を活用することとなるため、労働力の確保に努める。

                  ・

                  ・

     (そして注として、次の文章がある。)

    農薬は、ベンゼン、トルエン等の石油関連製品を原料の大半としていることから、農薬製造における石油の利用が制限されることになった場合には、その程度に従って、農薬の生産が減少することになる。

――――――――――――――――― 引用・完 ―――――――――――――――――」



 化学肥料については表-3のように確かに輸出製品ではある。しかしその表の合計欄で分るとおり、内需量より生産量が多いのは昭和60年迄であって、それ以後は輸入で生産の不足を補っており、平成12年の場合、生産量=725千トンは内需量=1,452千トンの約50%である。すなわち現在、化学肥料の内需の50%は輸入に依存しているし、国内で生産されている物についても、そのエネルギー源あるいは原料としての石油は、その殆どを輸入に依存していることからすれば、それらを国内生産とすることには問題がある。

 農薬についての統計が見つけられないが、上記の引用で農林水産省が自ら認めている通り、「農薬は、ベンゼン、トルエン等の石油関連製品を原料の大半としている」ことから、最終の製品が国内でどの程度生産されていても、結局はその多くを輸入に依存していることになる。

 石油の供給が大幅に制約される場合、化学肥料であれ農薬であれ、元々国内生産で需要が賄えていないのに、どうして「平素は輸出されているものがあることから、石油の供給が大幅に制約される場合には、これらの活用により国内における供給の増加を図る」ことが可能なのだろうか。可能なわけは無い。奇妙な資料という所以である。

 自給率の計算にしても、この「不測時の食料安全保障マニュアル」にしても、農林水産省が示す資料の質は疑いを持って見るべきものだろう。そしてこのマニュアルについては、関係省庁とも連絡をとって進めていると同マニュアルにあり、そこには内閣官房,内閣府,防衛庁,総務省,外務省,文部科学省,厚生労働省,経済産業省,国土交通省が名を連ねている。これだけのメンバーが居ながら、このような奇妙な資料が出来上がる理由は何なのだろうか。



第Ⅰ-2節 農業とエネルギー

 日本の農業は、耕作機械の燃料として、耕作機械,耕作資材,農薬,化学肥料製作の燃料として、あるいは耕作資材,農薬,化学肥料製作の原材料として化石資源を使っていて、その量は50年間に約30倍になっている。その経過を表-5に示す。このデーターは農業だけでなく、林業に投入しているエネルギーも含んでいる。農業だけに投入しているエネルギーの統計を、私は見付け出すことが出来ない。この二つを分離するために次の方法を用いることにする。この方法がどの程度妥当かは分らないのだが。

 表-6に農業と林業の国民所得を示す。このデーターについては1970~1998年のものしか見付けられないのだが。そしてこの表での国内生産額の比率で農業と林業に投入しているエネルギーを分離することにする。この妥当性は不明だが、他に方法が考えられないのだ。表‐5と6を使って表-7を作る。この場合二つの表で共通できる年代は1970~1995年なので、その部分で考えることにする。結果として表-7の欄③の値を、を各年度で農業に投入しているエネルギーだと考えることにする。

 農業に投入しているエネルギーは傾向として増加しているが、この理由の主なものとして、耕作面積の増減と農業就業者の増減が考えられる。耕作面積(ここでは作付面積)と農業就業人口のデーターを表-8に示す。

 作付面積,農業就業人口,投入エネルギーのデーターを表-7と表-8からまとめて表-9に示す。この場合共通して示すことが出来る期間は1970~1995年に成る。投入エネルギーの増減には、データーが見付けられるなら、家畜生産の増減や耕地からの収量の増減も考慮されるべきだし、栽培方式の変化や品種改良等も関係するが、それらに関する利用可能なデーターは私には見付けられない。そこで投入エネルギーと作付面積,農業就業人口の関係だけを考えると、作付面積が増えて農業就業人口が一定なら、投入される総エネルギーは増えるだろう。作付面積が一定で農業就業人口が減る時、投入される総エネルギーは増えるだろう。このことを単純な式に書けば、

 E=a×F-b×P

E・・投入総エネルギー・単位=PJ(ペタジュール・1015ジュール)

  F・・作付面積・単位=千ha

  P・・農業就業人口・単位=千人

  a ,b ・・正の定数

となる。

 表-9と上記の式を基本にして色々試算した結果、この3者の関係として私は次の式を提出する(この式については、末尾の「付録‐2」で若干のことを説明している)。

  E=0.32×F0.9-0.082×P ・・・・・・・・・ 式-1

この式で計算した投入エネルギーの値を表-9の下段に示すが、実際の値と比較してその精度はあまり良くない。しかしひとまずこの式を使って、農業に投入し得るエネルギーが減少した時の影響を考えることにする。

 式-1の使用を認めれば、これを使って幾つかのことが出来るが、ここでは投入エネルギーの減少が自給率に与える影響を試算してみる。その手順は次のようになる。

1.1995年のデーター(表-9)を元にして、農業就業人口が不変な中で投入エネルギーが変化した時、耕作可能な作付面積の変化を試算する。すなわち式-1で、

  340×X(PJ)=0.32×F0.9-0.082×4,140(千人・一定)

  として、Xを1.0 → 0.9 ~ 0.1 → 0 と変化させてF(作付面積)が幾つになるかを計算する。

2.作付面積の変化に比例して収量が変化しそれに比例して自給率が変化すると仮定して、それぞれの自給率を試算する。すなわち1995年の作付面積が4,920千haだから、上記で計算したそれぞれの作付面積Fを使い、例えば1995年の穀物自給率が30だから、

  それぞれの場合の穀物自給率=30(一定)×(F÷4,920)

  として計算する。

その試算の結果を表-10に示す。

 この計算によれば、農業に投入しているエネルギーが現状の50%になれば穀物自給率は30から22に、熱量自給率は43から31に減少し、0%になればそれぞれ14と20に減少することになる。この計算がどの程度妥当かが問題だが、その妥当性を追求した時、自給率はそれ程減少しないかもしれないが、より以上に減少する可能性も同等にあるだろう。

 総理大臣がオウム返しにした農林水産省作成の自給率は、食料以外のものは変化無しに輸入される場合にのみ成立する特異な最大値なのであって、非現実的な値である。



第Ⅰ-3節 国内必要量

自給率計算の分子は、食糧生産に投入されているエネルギーの関係を考慮してその値を見直すべきことを前述したが、分母も見直しを必要とする。農林水産省の自給率計算の分母は表-1の注にもあるように、熱量ベースであれ重量ベースであれ国内消費仕向け量を採用している。だが私の考えでは自給率は、

自給率=(国内で生産し得る量)/(国内で必要とされる量)

と計算されるべきであり、国内で必要とされる量と国内消費仕向け量は同じではない。

 国内消費仕向け量に対応する一人一日当たりの平均供給熱量は、表-2-1/3の項17で見れば、平成11(1999)年度で2,619.3kcalなのだが、これを本当に摂取しているとしたらかなりのカロリー過多になる。2,619.3kcalは「国内で必要とされる量」より大きすぎるのだ。国内で必要とされる量を計算するために、まず健康的に生きる為に必要なカロリーデーターを表-11に示す。この表の結果から1999年の一人一日当たりの平均熱量は2,133kcalで、同年の一人一日当たりの平均供給熱量2,619.3kcalと比較して、その差は486kcalで、その比は約81%である。だから自給率を計算する分母として一人一日当たりの平均供給熱量2,619.3kcalに基づく値を用いる妥当性に、私は疑問を持つ。

では2,133kcalに基づく値を用いるべきなのか。ここで少し横道にそれて、統計資料に関して少し泣き言を言わせて貰いたいのだが、そのまま素直に使える資料は、特にそれが長期間に渡る場合は、非常に少ない。例えば表-8の「農業就業人口」は同じ言葉を使いながら1990年度と1994年度でその内容を異なったものにしているし、表-6の国内総生産のデーターは、ある時期は農林業一括の、あるいは農林水産業一括のデーターしか見付けられない。そして一人一日当たりの平均熱量についても若干の問題がある。

 厚生省のデーターとして、平成14年の「栄養素等摂取状況」なるものがある。その集計の部分を表-12に示す。この表は男女合計で11,491人を調査し、その時のカロリーを含めた栄養摂取量の実態を調べようとしたものだと思えるのだが、もしそうなら男,女あるいは男女合計の各欄の②が平成14年の実際のカロリー摂取量を示していることになる。だがそれらの総ては、表-11の必要かローリーから算出したものと比べると、約10パーセント低い。比較は下記のようになる。

 表-11から(kcal)、男・・2,363  女・・1,911  男女平均・・2,133

 表-12から(kcal)、男・・2,141  女・・1,745  男女平均・・1,930

 表-12/表-11(%)     90.6      91.3         90.5   



 この場合に私が困惑するのは、それでは「国内で必要とするカロリー」を幾つにすべきかということなのだが、表-12を調べて見ると、より根本的な問題が見付かる。それは年齢階級毎の調査人数の問題だ。その影響が最も顕著なのは女の場合なのでそれによって説明しよう。表-13の最初の部分は表-12の女の部分だけを抜き出し、年齢階級別の調査人数がそれぞれ調査総数の何%かを示したものだ。その直ぐ下の欄③は出典⑧-2から、実際の年齢階級別の人口分布を計算したもので、その下の欄は実際の人口分布で女の摂取平均カロリーを計算したものだ。

 表-12の問題点は、年齢別の調査人数の比率が実際の人口分布と異なることに有る。それが偶然だとしても結果に大きな影響を与えないならばまだ罪は軽いのだが、結果としての女の平均摂取カロリーは、1,745と1,519kcalとかなりの相違がある。この結果を表-11の必要カロリー1,911kcalと比べると、1,745kcalならまだしも、1,519kcalでは栄養失調水準だろう。結局表-12を統計資料として使うことが出来ないという結論になる。

 長々と泣き言を述べたのは、公的にあるいは私的に記されたデーターは、その中身を慎重に吟味する必要があるということと、私が本書で提示する数々のデーターも、同様に鵜呑みにしないで貰いたいことを言っておきたかったからである。

 本論に戻って、他のデーターも幾つか見たのだがそういうことで、「国内で必要とされる量」のベースは、表-11の一人一日当たりの平均必要カロリー2,133kcalを元にすることにする。この2,133kcalはあくまでも平成11(1999)年の値であり、異なる年度で年齢別の人口構成が異なる場合はその値が変わる。それとは別の理由で2,133kcalを農林水産省の国内消費仕向け量2,619.3kcal(以後2,619kcalとする)に対応させることは出来ない。

 2,133kcalは実際に人の口に入るカロリーであって、それを得るためには流通,調理,残飯ということを考慮してより以上のものが必要になる。2,619kcalという値にしても、そこにはそれらのものが含まれているはずだし、そうでなければ日本人の殆どがかなりの肥満になるだろう。2,133kcalに対して2,619kcalは約1.23倍になる。そこで何の根拠も無いのだが、必要余剰率を10%として一人一日当たりの「国内必要量」を2,133×1.1=2,346kcalとする。

 そこで私の考え方による自給率の分母は 2,346÷2,619=0.9だから農林水産省が用いた分母に0.9を掛ければ良いことになる。エネルギーの問題を度外視すれば1995年の農林水産省の穀物自給率は30%だから、私の計算ではそれは30÷0.9=33%で、熱量自給率は私の計算では43÷0.9=48%になる。このこととエネルギー問題を組合わせた自給率のデーターを表-14に示すが、これが本章の結論で有ることと同時に、今後はこのデーターを食料自給率として使用することを宣言しておく。









第Ⅱ章 食料自給率の問題点

 日本の食料自給率は表-14のようになる。この自給率を見て何か問題にするべき事があるだろうか。答は「勿論有る」だ。何も問題が無いのなら自給率の統計もそして本書も単なる暇つぶしに過ぎない事になる。ではどのような問題を含むのか。それがこの章の主題である。



第Ⅱ-1節 総ての前提

 世界は有限か、それとも無限か。世界を宇宙と捉えるなら、私はその答を知らない。私達は宇宙と呼んでいるものの中に存在し、そのシステムの中から生じ、そして今を生きているが、私達が生きる場所は今のところ地球に限定されている。だから世界を地球と捉えるなら、私は自信を持って「有限だ」と答える事が出来る。

 地球の半径は6,370kmで、だからその表面積は510,000,000(5.1億)km2になる。大きな数字だが有限であることに変わりは無い。この内陸地は29%の149,000,000 km2で、現在の人口が約6,000,000,000(60億)人だから一人当たりの陸地面積は0.025 km2(2.5ha)で、それは大体157m×157mの広さ、日本流に言うと7,500坪になる。かなり広いが有限であることに変わりは無い。この陸地の面積の内1/4が森林だから、人間が住める面積は一人当たり0.019 km2(1.9ha),138m×138m,5,800坪になる。陸地面積の1/3を占める砂漠を考慮すると、人間が住める面積は一人当たり0.01 km2(1.0ha),100m×100m,3,000坪になる。

 断っておくが、森林は人間が住み難いというだけのことで、それが人間にとって余計なものであると言うわけではない。それどころか森林は人間にとって不可欠なものである。それは海の植物プランクトンと共に酸素生産の一翼を担い、豊かな森林は豊かな土壌を作り出すことによって食物の生産に寄与し、それが生産した有機物はやがて海に流れ出し豊かな海を生み出す。だから森林は人間が住み難いだけであって、それを一人当たりの面積から除外することは適切ではないかもしれない。7,500坪,5,200坪,3,000坪いずれにしろ有限であることに変わりは無いが。

 地球の体積は1,080,000,000,000(1.08×1012=1.08兆)km3で質量は5,970,000,000,000,000,000,000(5.97×1021=59.7垓)tonたから、比重は5.52になる。こんなことはどうでも良いかもしれないが、もう少し続けると、この内中心部は固体だが人間は直接それを利用することは出来ない。その外側に粘性の低い内核と外核があり、人間は直接それを利用することは出来ない。その外側に粘性の高いマントルがあり、それも人間は直接利用することは出来ない。その外側に固体の地殻がある。地殻の厚さは約30kmだから、地球を直径1mの球とすれば地殻の厚さは2.4mmということになる。実用的な掘削能力を10kmとすれば、人間が使用し得るのは地殻の1/3の厚みで、その中に石油や石炭等の化石資源が存在する。人間が使用し得る地殻の体積は5,000,000,000(5億)km3になり地球の体積の4.6%、一人当たりの体積は0.83 km3で、以上のどの数字であれ有限であることに変わりは無い。

 地球の大気の厚さは地表に近い部分から対流圏,成層圏,中間圏,熱圏,外気圏と命名され全体として地球半径の数倍になるが、人間が生身で生活できる高度は酸素分圧の関係で概ね2,000m程度であり、これも有限なものだ。

 一まとめに言っておくが、森林が人間にとって重要なものだったのと同様に、マントルであれ地質学としての核であれ、大気の熱圏であれ外気圏であれ、それらは人間が直接利用出来ないというだけのことで、人間が生きる狭い範囲をその様な環境として形作るための重要な要素なのである。その周りを取り巻く宇宙にしても。

 さて私達の生きる世界が有限である事によって、様々な問題が生じる。

 有限から生じる問題を指摘した人々は少なくなかっただろうと思うのだが、私が知っている最初の人々は、「ローマクラブ」と称する世界的な団体だった。それは1968年に世界の科学者、経済学者などによって結成され、1972年彼らの調査研究の報告として「成長の限界」という本が世界中で、日本ではダイヤモンド社から出版された。

 そこに書かれていたのは、人間が生き続けるための環境の総てが有限であることのくどいまでの指摘と、その有限性から遠からず来るであろう危機への、再びくどいまでの警告だった。イスラエルとアラブ諸国間の1967年の第三次中東戦争と1973年の第四次中東戦争、それに伴う世界的なオイルショックも相俟って、「成長の限界」という言葉は流行語にもなり、日本以外でもそれが含む諸問題は熱く討議された。しかしその熱意はそう長く続くことは無く、石油の供給緩和も手伝って日本も世界も有限を考慮することを忘れていった。時たまそれについて声を上げる人々がいても、それは片隅で囁かれる小さな小さな声にしか過ぎなくなった。

 ローマクラブの報告にも問題はあったのだ。彼らは多くの資源の枯渇について記述しているが、彼らの試算によれば2004年現在すでに枯渇しているはずの資源は、しかしながら枯渇してはいない。彼らの試算は簡単に言えば間違っていたのだ。それならば他の指摘も間違っているかもしれないだろう。確かにそうなのだが、しかしただ一点彼らの指摘に間違いの無いものがある。それは「人間が生き続けるための環境の総てが有限である」という指摘だ。「成長の限界」の価値は、個別の資源が枯渇する時期の予測にあるのではなく、その時期がやがてはやって来るという警告にある。その時期が千年の先なら、今私達が思い悩む必要は無いだろう。だがそれはそんなに遠い未来のことだろうか。どうやらそうでは無さそうなのだ。それについては次節からの検討として、「人間が生き続けるための環境の総てが有限である」ということだけは読者との共通認識としたい。それが共通の前提として存在しないなら、本書は何の意味も持ち得ない。



第Ⅱ-2節 エネルギー(世界)

 現在人間が必要としているエネルギーの内太陽エネルギーと食料エネルギーを別にすると、他の殆どのエネルギーは埋蔵資源に由来しており、それは人間が利用可能な地殻5億km3の中に存在する。だからそれらのエネルギー資源も勿論有限である。それらがどの程度有限であるかを表-15に示した。

 そこに有るとおり確認可採埋蔵量は当然有限であり、それらの消費量がゼロで無い限り、それらの使用限界年数も当然有限な時間を示す。それが同表の可採年数であり、例えば現在日本がエネルギーの約40%を依存している石油は、1997年のペースで使い続ければ2040年には枯渇することを示している。それは2004年の今からすれば36年後だ。それが枯渇した時、あるいは枯渇に近付いた時、40%のエネルギーを日本は何に依存するのだろうか。

 現在日本がエネルギーの約30%を依存している天然ガスは、1997年のペースで使い続ければ2058年には枯渇することを示している。それは2004年の今からすれば54年後だ。それが枯渇した時、あるいは枯渇に近付いた時、石油の40%を加えて70%のエネルギーを日本は何に依存するのだろうか。この場合、その18年前に石油が枯渇しているとしたら、天然ガスの消費量は増加し、その枯渇は随分と早まるだろう。石油の枯渇後それを総て天然ガスで補うとすれば、8年後の2048年でそれも枯渇する。

 現在日本がエネルギーの約5%を依存しているウランは、1994年のペースで使い続ければ2067年には枯渇することを示している。それは2004年の今からすれば63年後だ。それが枯渇した時、あるいは枯渇に近付いた時、石油と天然ガスの70%を加えて75,,,いか次のサイトを参考にしてください


http://izumo.cool.ne.jp/kitona/cof&e.htm

以上より

食糧難とエネルギー難が同時に発生か?

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